お遍路道具の解説

白衣(びゃくえ)
 背中に「南無大師遍照金剛」と御宝号が書かれてた巡礼する時に着用する白い行衣で、袖付きと袖なし(笈摺)があります。白衣にご朱印を受ける場合は巡礼中に着る白衣(白衣道中衣)とは別にもう一着(白衣判衣)用意しておき、納経所で受印の部分を表にして渡します。この白衣は冥土へ旅立つ晴れ着ともされています。


金剛杖(こんごうづえ)
 弘法大師の化身ともされる杖で上部は五輪塔(地水火風空)をかたどり、この部分は俗身に触れないように杖カバーや金襴で巻いておきます。四方に書かれた梵字(ぼんじ)は梵天が作ったとされる梵語(サンスクリット語)で四方門と同時に四国道場を表しているとされています。梵字の下には「南無大師遍照金剛同行二人」と書き、常にお大師さん(弘法大師)と一緒にいるという意味があります。昔は行き倒れた遍路を埋葬する際の卒塔婆としても使用されていました。


菅笠(すげがさ)
 菅笠は宇宙を象徴する大日如来を表していると言われ、かぶったまま礼拝をしたりお堂の中でも取らなくてもかまいません。菅笠には「同行二人」の文字と「迷故三界城 悟故十万空 本来無東西 何処有南北」という修行者の心構えが書かれています。江戸時代には遍路が巡礼の途中で行き倒れた時、菅笠を遺体にかぶせて棺桶のかわりにしていました。


輪袈裟(わげさ)
 礼拝の正装具で白衣の上から首にかけます。食事やトイレの時は外しておきます。輪袈裟には仏に帰依するという意味があり、また修行中であるという決意を表しています。


念珠(ねんず)
 数珠を真言宗では念珠とも呼ばれ二重の数珠が多く使われていますが、一重の数珠や腕輪タイプのものでもかまいません。数珠を持つ時は親玉を上にして左手に持ちます。首などにかけてはいけません。心身を清浄にして仏に帰依することを表します。

頭陀袋(ずだぶくろ)
 お遍路用は白地に「同行二人」と書かれており、納経帳、数珠、経本、ロウソク、線香などを入れておく袋のことで、首にかけて使用します。


持鈴(じれい)
 お遍路さんが腰につける小型の五鈷鈴のことで、読経やご詠歌の節に合わせて振られます。また、持鈴の音は行者の煩悩を払い、道中の魔除けとされています。春になるとお遍路さんが多くなることから、四国の春はこの持鈴の音と共にやってくると言われています。


納経帳(のうきょうちょう)
 納経所で墨書きと朱印を頂く帳面のことで、満願になった納経帳は一生のお守りであり、棺桶に入れると無事に浄土に行くことができると言われています。最初に買った納経帳は一生使われ、二回目以降の巡拝の際は朱印だけを頂くことになり、何回も巡拝を繰り返すうちに真っ赤になってきます。


納経軸(のうきょうじく)
 納経帳と同様、納経所で墨書きと朱印を頂き、満願になった納経軸は掛軸にして仏事や家庭行事の折々に下方として仏間や床の間に飾られています。御宝印軸とも呼ばれています。


納札(おさめふだ)
 巡拝の証として、住所、氏名、年齢、日付、お願い事などを記入し、本堂や大師堂の納札箱に入れるお札のことです。納札は巡拝回数によって色が異なり、1~4回目が白札、5~7回目が緑札、8~24回目が赤札、25~49回目が銀札、50~99回目が金札、100回目以上が錦札となっています。

札挟(ふだばさみ)
 納め札を入れておくケースのこと。


経本(きょうほん)
 四国霊場専用のもので般若心経、十三仏真言、光明真言、八十八ヵ所御本尊御真言などが書かれたお経の本です。お経は暗記をしていても経本を見ながら読経をするのが作法です。


御影帳(おみえちょう)
 納経したときに頂くご本尊をしるした御札を整理するアルバムのこと。必需品ではありませんが持っていると便利です。


手甲・脚絆(てっこう・きゃはん)
 手甲=手の甲を覆う布、脚絆=足元を覆う布でお遍路さんの正装。

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